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夜空の太陽
特にこれといって何もない日。 だけど今日はぼやけた月がにじんでた。 あとは何も変わらない。 いつもよりもにじんだ月。 いつもよりぼんやり明るい月明かり。 影もぼんやりにじんでた。 伸びることなく縮まることなく、ただそこに。 ただいつもとなにも変わらぬ月の夜に、いつもよりぼんやり明るい月明かり。 今このときに、この世界で、同じ月を見上げる人がどれだけいるのだろう。 決して俺ひとりなんかじゃないはずだ。 同じ今じゃなくたって、きっと1度は見上げてくれたかな、この月明かり。 このぼんやり明るい月明かり。 なんか太陽よりもまぶしいや。...
血
親は、子供のために。 子供は、自分のために。 子供がおもちゃを選ぶように、親は、そのおもちゃを選んで買ってくる。 選んで買ったおもちゃでも、子供は飽きても新しいものがやって来るまでは、それで遊ぶしかない。 親もきっとそれは同じだろう。 おもちゃを選ぶようには、親も子供も選べない。 ケンカしかしない親なら、いっそ居てくれないほうがいい。 “子供が大きくなるまで、別れる気はない” 逆にそれは、それからの自分を想像できないだけだと思う。 ホントに子供のためと思うなら、そのまま別れたほうがいい。仲の悪い親ほどイヤな親はいない。そんな親はいらない。そんな親なら、親じゃない。三流映画に出てくる三流役者と変わらない。 自分がその“親”っていうやつを演じたいだけなんだよ。しかも、“いい親”っていうほうだ。 泣こうが怒ろうが怒鳴ろうがわめこうが、親どうしの仲がよければ、...
The Song
なにも見えない 目を閉じた 好きな歌だけが背中のほうから聴こえてくる だけど歌詞もそのタイトルもたいてい憶えてない 名もない声が僕は好き 姿もなくて触れることもできないけれど 僕の気持ちを鎮めてくれる どこからともなく聴こえる声 なにも求めるわけじゃないけど 僕はなにかをもらってる 恩返しなんてできないし そんなのする気もないけど 僕は歌を聴きつづける 僕はその声が好きなんだから きっとなにも伝わることはなさそうだけど たまにはそれもいいじゃない...
約束の場所
冬がくれば 青く澄んだ海が見たい 夏がくれば 雪を夢見て 一体これは何なんだ? 忙しいときアイツは邪魔だ だけど今は誘ってほしい 一体これは何なんだ? どうにかしてよ この気持ち 刺激に餓えてて張り裂けそうだ きっと満足なんてやってこないさ 腹がへっては戦もできぬ きっとどこかに見つかるさ 変化も刺激も訪れない ずっと平和な約束の場所 きっと誰もが欲しがってるのさ そんな場所… 春と秋には 僕は君を思いだす...
Shall
もう2度と離れない 1度離れたわけじゃない ずっと途切れることはない この誓いを捧げよう...
交差点
小さな頃はまだまだ歩幅が短くて 遠くまでなんて行けることも考えられず ただ自分が行けるところだけを向いていた でも自分の好きなだけ眺めていられた 今はどこまでも行ける 行こうと思えばどこまでも なにかが足りないわけじゃない 自分がちょっと臆病になってるだけなんだ 1歩の距離が大きく長くなった分 そのあいだで見失うことあるかもしれない 気づかぬこともあるかもしれない だけどその分自分の知らないところへ行ける なにも知らないところだから いろんなことを知っていきたい 自分の両手を広げただけの ほんのちょっとの自分の世界 1歩足を動かすだけで 自分の世界が動きだす 今ここから動きだす 今までこの足はどれだけの土を踏んできたのか どれだけの草や花を殺してきたのか どれだけの命を絶やしてきたのか 名もなく消えた小さな命 だけどその分僕も少しは大きくなれた なにかを踏み台にして大きくなっ...
時の人
時は 人に なにを求めているのだろう? 人は 人に なにを求めているのだろう? 時代に愛されたものは その時代とともに消えてゆく せめて記憶 “時”は 誰も忘れることも誰も無視することもできない “人”は 誰もが忘れ 誰もが無視できることかもしれない 時のまばたきのあいだにあるだけの人かもしれない でも、そんな“人”に愛されたい...
まだひとり
キミの気持ちには気づいてる だけど僕の気持ちは明かせずに ちょっと怖くて すごく嬉しくて だけどやっぱり何かが怖くて 「楽しいだけの気持ちじゃない」 いつかキミがそう言った 「でもつらくてもキミと過ごせる時間ってあるんだ」 「それがふたりの楽しい気持ちになれるために」 気持ちを伝える100の言葉より 100の時間を重ねよう 言葉はたった1度でいい キミに逢えたキスと一緒に僕の心に刻んでゆくから どんな大きな歴史にも素敵な恋があるように 僕らもここに小さなふたりの歴史を残そう 今はまだひとりだけれど...